首を吊られたアメフト選手を救い出す『Good Archer』―ブッ飛んだ舞台設定だけが気になる

首を吊られたアメフト選手を救い出す『Good Archer』―ブッ飛んだ舞台設定だけが気になる


スポーツ観戦、それは実にメジャーな趣味の1つだ。あるチームに思い入れや愛を持ち、ファンになっている人も中には居るだろう。ただ、そんな熱を入れて応援しているチームが大事な試合で惨敗した時、一体どうするだろうか?悲しみに暮れて呆然としてしまう、仲間内で選手の愚痴を言い合う、もしくは、さっさとベッドで眠って忘れようとするかもしれない。

今回紹介するGood Archerはシステムに目新しい部分はないし、プレイすることで得られる体験も特別優れたものではないだろう。ただ、そのヘンテコな舞台設定がやけに気になったのでちょっと取り上げておきたい。

自分にない発想を素直に楽しむ

「よし、じゃぁ首吊っちゃおう」

『Good Archer』はシンプルな2Dアクションゲームだ。ステージにはロープで首を吊っている人間が何人か居て、プレイヤーは弓矢でロープを撃ち抜いて彼らを救出するのが目的である。彼らの頭上にはジワジワと減っていくゲージがあり、なるほど、首を吊っているからその苦しさを表現しているんだなとわかる。そして、間違って彼らに矢が刺さるとそのゲージがグッと減ってしまうので、できるだけ早く正確にロープを撃ち抜く必要がありそうだ。

僕は最初トレーラーを見た時に「自殺しようとしている人たちを助け出そうとしているのかな」と思った。しかし、その予想は大きくハズれていた。

実は首を吊っているのはアメリカンフットボールの選手で、しかも自らロープに手をかけたのではなく、熱狂的なファンによって首を縛り上げられたのだ。理由はそのチームが試合で大敗してしまったから。その事件を受けて、チームを運営する立場にあった主人公は弓矢を手に取って選手を救い出そうという設定だ。ゲームの説明文には「狙撃手のスキルを磨いて不運な君のチームを救い出そう!」と記してある。なかなかブッ飛んでいやがるぜ。

それが笑えてしまう世界

人が感動する理由は様々だが、僕が感動するパターンの1つに“自分が到底できなかったであろう発想に出会う”というものがある。そして、『Good Archer』はその瞬間を与えてくれた。自分の応援していたチームが負けたから選手の首を吊る?選手を助けなきゃ!じゃぁ弓矢で狙い撃つね?あと羊を撃って障害物を壊してもらおうか?ていうか吊られてる選手が笑顔なのは何で?全てめちゃくちゃである。

▲お助けキャラに羊を選ぶナンセンスさは目を見張るものがある(ような気がする)

首吊り、弓を人に向かって引くこと、選手に対する振る舞い、どれも笑い事ではない。しかし、それがゲームとしてプレイするとその世界のルールに否応なしに従うことになる。そして、笑い事になってしまうのだ。これはなかなかに不思議な体験で、ゲームに許された貴重な要素の1つだと思う。そんなことを『Good Archer』の説明文を読みながら考えてしまった。

ブラックはどこまで笑えるか

ゲームには一般市民と設定されたキャラクターを虐殺するものや、金を盗みドラッグを捌きながら裏社会でビッグになるものなど、言い訳不可能なレベルで反社会的な題材を取り扱うタイトルがある。個人的にはそれを表現して提供できることもゲームの持つ強い力だと認めているが、一方で、道徳的な議論が巻き起こってしまうのも当然だとも思う。年齢制限が設けられてるとは言え、“子どもに悪影響がない”と言い切るのはとても難しいだろう。

ただ、僕は『Good Archer』くらいのブラックさは笑って素直に楽しみたいと思う。当然この境界線は人それぞれで、どこまでブラックやインモラルが許されるかは決められたものではないが、少なくともブッ飛んだ発想を見せてくれたという点で心に留めておきたいタイトルだった。


『Good Archer』は2017年3月10日にSteamにて定価98円でリリースされている。軽くセールでも入ったらYouTubeで”98円 Now on Sale!“シリーズの1つとして取り扱ってみてもいいかもしれない。

なぜセールを待つかって?
先述のとおり、ゲームとしては特別楽しいというわけではなさそうだからだ。

 
終わり

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