『ADOM』魔界の扉を開いたその先にはハードコアなローグライクRPG

『ADOM』魔界の扉を開いたその先にはハードコアなローグライクRPG

ローグライクには大きく分けて二つある。比較的シンプルにまとめられたものと、マニアックに複雑化されたものだ。前者の代表としては『不思議のダンジョン』シリーズが挙げられるだろう。そして、本稿で取り上げる『ADOM』はもちろん後者だ。

『ADOM』は中世ファンタジー風の世界を舞台としたターン制ローグライクRPGだ。Thomas Biskup氏を筆頭するメンバーによって開発され、リリース日は2015年11月17日。価格は1,480円となっている。なお、公式サイトからは、ウィークリーチャレンジなど一部機能を省いたバージョンが無償ダウンロード可能だ。ポストカードウェアを自称しており、開発元に感謝を伝えたい場合はポストカードを送って欲しいとのこと。

過酷な旅路へ

本作の舞台はArcandiaと呼ばれる世界。長きに渡る平和を謳歌してきたが、何者かが魔界の扉を開いてしまい状況は一変する。扉の奥から漏れ出るコラプションという名の波動は、放置し続ければ、やがて地上のあらゆる生命をモンスターへと変えてしまうだろう。プレイヤーは事態の解決を図るため立ち上がった一人の勇敢な若者として冒険を始めることになる。

ゲームの基本的な流れはオーソドックスなものだ。豊富に用意された種族、クラスを組み合わせてキャラクターを作成。ワールドマップに点在するダンジョンを探索しながら、魔界の扉を閉じる方法をさがす。もちろんパーマデスルールを採用しており、命を落とせば全てを失うことになる。

細部へのこだわり

本作をプレイしていて強く感じるのは、リアクションの豊富さだ。鉄製の装備を水に漬ければサビるし、炎に包まれれば呪文書や巻物などは燃えカスとなってしまう。同じ種類の武器を使い続ければ腕前が上達し、モンスターが祭壇に乗った状態で「祈る」と、神への供物とすることができる。また、モンスターの遺体も食べられるが、種によってはさまざまな状態異常を引き起こす、などなどプレイヤーの行動に応じた反応が設定されているのである。

シビアな難易度

難易度については、同ジャンルの中でも高めの部類に入るだろう。敵に囲まれた状態で武器落とし攻撃を喰らい、そのまま袋叩きにされる。最悪のタイミングで、毒や出血といったスリップダメージを喰らう。頼みの綱としていた防具が、扉のトラップで破壊される……。死に至る要因は、直接的、あるいは間接的なものを含めさまざまだ。しかし大抵の状況には、複数の対処方法が用意されている。プレイヤーが経験を重ねていけば、自然と運任せの場面は減っていくことだろう。

経験こそが力

魔界の扉を閉じ、世界に平和をもたらすための道は長く険しい。しかし、本作において経験は力である。試行錯誤を繰り返して経験を重ねていけば、やがて前よりも長く生き伸びることができるようになった自分を発見するはずだ。死を重ねることでプレイヤーが成長する。本作はそんな清く正しいローグライクを求める方にオススメしたい。

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